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詩句は喋りやすさに任すTpPage

 三言兩語 三長兩短 三心二意 三番五次 三朋四友 千方百計 千錘百煉 千難萬険 千言萬語 千叮萬嘱 萬紫千紅 萬水千山

 これら常套語は文字を入れ替えて、兩言三語 兩長三短 二心三意としても、さしたる意味の違いもなく、どちらも成り立ちそうに思えるが、実の所、仲仲そう簡単には行かない。成り立たないのである。

 何故に成り立たないのか?其れは、喋りにくいからである。

 これらの語句は大方於いて、平平仄仄、若しくは仄仄平平かの何れかである。見方を代えれば、中国語の喋りは、平平仄仄、若しくは仄仄平平の声調が喋りやすいと言える。四言句の場合は平平仄仄、若しくは仄仄平平の二通りがあり、五言句の場合は、中に一字を挟み込む方法と、後に一字を付ける方法がある。

平平 平仄仄 平平 仄仄平
仄仄 仄平平 仄仄 平平仄

 詩は朗唱が前提だから、当然の事ながら平仄構成は、喋り易さを基本に成り立っている。古詩が如何に平仄不問の格律詩で有ると謂っても、喋り易さまで不問にする事はないので、自ずと不問にも規は有る。

 即ち平仄平仄平や仄平仄平仄は、当然埒外で有ることは見当が付くが、孤平や孤仄が喧しく謂われるのは、詩句の基本に抵触する事柄だからである。

 

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