漢詩詞論攷中国散体詩 中山逍雀漢詩詞填詞詩余楹聯創作講座こちらからもお探し下さい

中國散体詩TpPage

 私の交流する中国詩人の中には、数名の散体詩の作者が居る。彼らの詩論を読むとき、例え散体と雖も、詩歌である以上は、言い換えれば詩歌であるからこそ、韵と平仄の配置は重要不可欠な要素であると。

 詩歌について、日本でも同様なことが言えるが、定型ならば上手と下手、十点から九十点まで満遍なく存在するが、散体では十点か或いは九十点か何れかで、途中は寥々たるものである。この事は中國の散体詩壇でも言えると、謂われている。

 散体詩は、一見易しそうだが、定型よりも却って難しい詩形と言える。中國でも文化大革命の後もてはやされたが、さしたる発展も業績もなく衰微の一途をたどっているのが現状である。その反面定型詩は同時代に、歴史の否定と謂うことで弾圧を受けたが、近年は、政策の変更に依って解放され、定型詩詞の良いところが見直され、着実に愛好者を増やしている。

 散体詩歌は、定型詩詞を十二分に習得した者が、次の段階として着手すべき詩形で、安易に指向すべきものではない。中國黒竜江省に、中華新韵学会と言う、定型とか散体とかにとらわれずに作詩活動をしている詩壇がある。葛飾吟社の投稿漢詩欄にも掲載されているのでご参考までに閲覧をしてみては如何ですか。

 漢詩詞と言うと、平仄と韵がやかましい!と言うのが第一印象で、五言絶句と七言絶句、五言と七言の律詩を挙げる人が殆どだ。中国国内と架橋の間で流通している詩詞の形式は、沢山あって、日本人が知っている形式は、氷山の一角というか、其れよりも小さい周りに浮いている氷の欠片ほどです。

 漢詩詞の格律詩形は大雑把に数えても約2000種類有ります。日本では自由旋律と言う詩作もあるが、2千も有れば、自由に創ったつもりでも、どこかの格律詩形にそっくりと言う事と成りかねない。格律詩形の中で最も小型な詩形は恐らく「曄歌」だろう。(註:詞の格律で「竹枝」が有るが、一般の認識は少ない。)「曄」の文字は、日本の「日」と中華の「華」を併せた意味合いを持って居るとして「曄歌」の名が付けられた。

註:日本の定型詩歌は十指に満たないので、自由旋律と謂う言葉の意義は重いが、格律が二千も有れば、自由旋律という言葉の意義も希薄となります。

 

自由詩散曲元曲楹聯漢詩笠翁対韻羊角対漢歌漢俳填詞詩余曄歌坤歌偲歌瀛歌三連五七律はこの講座にあります