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古典漢詩詞の創作は有るのか?TpPage

 日本の本屋で売られている中國詩詞関連の書物はその殆どが古典関連である。そして鑑賞と言えば、殆ど古典作品が対象に成っている。

 古典の鑑賞なら物理的に可能であるが、古典の創作は物理的に不可能である。古典創作と云う言葉の意味は、本来古典の格律に倣った創作と云う意味で、古典を創作するという意味ではない。

 日本詩歌を例に挙げれば、短歌も俳句も、格律を古典に倣ってはいるが、その用いる言葉から意味合い表現法まで、古典に倣って居る訳ではなく、時宜に応じて変化進歩し、決して陳腐な文化とは成っていない。

 漢詩詞は、日本と中國に共通する文化では有るものの、本質的には中國の詩歌である。そして現代中国に於ける漢詩詞の現状は、日本の詩歌文化と同様に、格律を古典に倣ってはいるが、その用いる言葉から意味合い表現法まで、古典の模倣ではなく、時宜に応じて変化進歩し、今を映す文化と成っている。

 そして格律、即ち聲韵の組み合わせは、新規参入の幾つかが有るものの、音韻が基本にあるので、古典と殆ど変わっては居ない。これは日本詩歌の音数律が変わらないのと同様である。

 日本人が漢詩詞を作る場合、古典漢詩詞の創作と言う言葉を屡々耳にする。この場合、格律はもとより、言葉遣いから意味合いまで、更に物事の考え方まで古典に倣っている場合がある。この様な作品は「擬古」の作品と云うべきで、自己表現手段としての漢詩詞の範疇には入らない。現代人が漢詩を作る場合は、格律だけを守れば其れで十分である。

 

 

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