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風呂敷と詩詞TpPage

 菓子箱や、風呂敷、焼き物の類に、短歌や戯れ歌が書かれているのを目にすることがある。

 箱や風呂敷に書かれた短歌や戯れ歌は、店主の心意気と謂うか洒落心と謂うか、これが又中身とマッチして、使う者の心を和ませてくれる。

 矢切れの渡しの歌が流行った頃、風呂敷屋に頼まれて、矢切れの渡しの顛詞を作ったことがある。その後其の風呂敷は幾らか出回ったと見えて、偶然にお祝い事の風呂敷包みで、作品と再会した。風呂敷の隅に、渡し船の絵があり、読み下しの詞が添えられていた。

 詩作は、ただこころの赴くままに作ればよいと謂う訳ではない。その目的がある。掛け軸にするのか、詩集を出すのか、その場その場によって対応しなければならない。

 菓子箱や焼き物の場合は、先ず美味しい菓子、立派な焼き物であると詠う。次に店主の心意気を詠う。これでお客は喜ぶ店主は喜ぶ。

 風呂敷は、その使用目的に合わせた方がよい。たとえばお祝いを包む風呂敷なら、お祝いを出した人の心意気、お祝いを受け取った人の多幸、こういう所に気を遣う。相手に対する気遣いが大切です。

 次に書き方です。
 漢詩詞は、一般の人は、難解だから、出来るだけ易しい書き方がよい。絶句なら五言絶句で二十文字が限度だろう。詞も同じだ。難しい言い回しは極力避けて、棒読みでも読めればそれに越したことはない。文字も易しい方がよい。

 

 

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