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歌行

　歌行とは、古くは古詩源・文選・玉体新詠・楽府集などに載って居る作品として、曹操の短歌行・曹丕の燕歌行・曹植の野田黄雀行・古詩源掲載の怨歌行などの作品がある。時代が下がり、盛唐には杜甫の作品がある。

　歌行とは、楽府題の一つで、詩の範疇に入り、四言五言若しくは七言の作品が有るが、詩詞定型の名称ではない。

　一つに、歌行は作品の題名に、○○歌行、或いは○○行、と命名されている事が要件となる。

　次に、歌行は作品題だけの問題ではない。歌行と言われる作品は、その内容には、個性としての傾向がある。その個性としての傾向は、紙面の都合で詳らかには述べにくいので、作品を提示するので、其処から各自、傾向を探り当てて欲しい。

　専ら鑑賞対象である歌行作品を、現代に於いても、創作することが可能なのか？と問われれば、形態は「詩」、題名は○○行、叙事傾向は「歌行」、と言う条件を満たせば可能である。

　前例に倣うと言う点から言えば、歌行は古詩で作らなければ成らないと言うだろうが、創作年代が古辞の時代だから、古辞が当然である。
　其れならば、古詩も近体詩も通用する現代にあっては、古詩でも近体詩でも、創作妥当といえる。

　考察；古典歌行作品の叙事法は殆ど「興」である。

作品例　

　　貧交行 杜甫
翻手作雲覆手雨，紛紛輕薄何須數。
君不見管鮑貧時交，此道今人棄如土。

参考；“君不見”の語彙は慣用句の様で、他の作品にも屡々見られる。
君不見黄河之水天上來
君不見高堂明鏡悲白髮
君不見古來燒水銀
君不見黄河之水天上來
君不見青海頭
君不聞開元宰相宋開府
又不聞天寶宰相楊國忠
君不聞胡笳聲最悲

　　短歌行　曹操
對酒當歌，人生幾何。
譬如朝露，去日苦多。

慨當以慷，憂思難忘。
何以解憂，唯有杜康。

青青子衿，悠悠我心。
但爲君故，沈吟至今。
○○鹿鳴，食野之苹。○；口＋幼　U5466
我有嘉賓，鼓瑟吹笙。

明明如月，何時可輟。
憂從中來，不可斷絶。

越陌度阡，枉用相存。
契闊談讌，心念舊恩。

月明星稀，烏鵲南飛。
繞樹三匝，何枝可依。

山不厭高，水不厭深。
周公吐哺，天下歸心。

　　燕歌行　曹丕
秋風蕭瑟天気涼，草木揺落露為霜。
群燕辞帰雁南翊，念君客遊思斷腸。
慊慊思帰恋故郷，君何淹留寄他方。
賤妾煢煢守空房，憂來思君不敢忘。
不覚涙下霑衣裳，援琴鳴絃發清商。
短歌微吟不能長，明月皎皎照我牀。
星漢西流夜未央，牽牛織女遙相望。
爾獨何辜限河。

注：曹丕の作品には短歌行・秋胡行・善哉行・上留田行・燕歌行などがある。

　　野田黄雀行　　曹植
高樹悲風多，海水揚其波。
利剣不在掌，結交何須多。
不見籬間雀，見鷂自投羅。
羅家得雀喜，少年見雀悲。
抜剣○羅網，黄雀得飛飛。○；E634E ﾄﾙ
飛飛摩蒼天，来下謝少年。

　　薤露行　曹植
天地無窮極，陰陽転相因。
人居一世間，忽若風吹塵。
願得展功勤，輸力於明君。
懐此王佐才，慷慨獨不羣。
鱗介尊神龍，走獣宗麒麟。
蟲獣猶知徳，何況於士人。
孔氏刪詩書，王業粲已分。
騁我逕寸翰，流藻垂垂芬。

　　泰山梁甫行　曹植
八方各異氣，千里殊風雨。
劇哉邉海民，寄身於草野。
妻子象禽獣，行止依林阻。
柴門何蕭條，狐兎翔我宇。

　　當牆欲高行　曹植
龍欲升天須浮雲，人之仕進待中人。
衆口可以練金。
讒言三至，慈母不親。
憤憤俗間，不辨偽眞。
願欲披心自説陳。
君門以九重，道遠河無津。

　　行行重行行　無名氏
行行重行行，與君生別離。
相去萬餘里，各在天一涯。
道路阻且長，會面安可知。
胡馬依北風，越鳥巣南枝。
相去日已遠，衣帯日已緩。
浮雲蔽白日，游子不顧返。
思君令人老，歳月忽已晩。
棄捐勿復道，努力加餐飯。

　　怨歌行　　班○�､；女ﾍﾝ；ｼｮｳ；U5A55
新裂齊○素，皎潔如霜雪。○；糸＋丸；U7D08
裁爲合歡扇，團團似明月。
出入君懷袖，動搖微風發。
常恐秋節至，涼風奪炎熱。
棄捐篋笥中，恩情中道絶。

　　少婦行　編者　80句544字
小斎窓下菊花薫，庭際柿枝衆鳥群。平韵
老骨何辞睡魔誘，暫時入夢亦懐紛。
三尺青春多楽事，紅塵香雪潔白指。仄韵
深窗少女未知悲，父母慈育天性翅。
東郊風暖柳成絲，十里春畦逐蝶兒。平韵
夜夜沈潜耽誦読，双親薫育學無為。
賢才順孝専慈愛，繊指蛾眉恣淑姿。
一八鴛鴦歩花下，千篇雁信欲投誰？
桜花不背期，雁書難傳意。　　　　　　仄韵　
多恨此時情，躍心今日筆。
一樽濁酒與清吟，半壁寒燈惜僅陰。平韵
互涙相憐吾不独，何疑人生任君尋。
六尺青襟佳配偶，三年紅頬新婚酒。仄韵
不知九月合歓花，處處被飛凭岸柳。
単身得任半憫歓。折柳思程涙未乾。平韵
三尺帛書忘髪白，十年客里祷身安。
啓封感激新，懐舊光陰早。　　　　　　仄韵
難過別離情，眞誠思慕祷。注：難過；耐え難い
紛紛亂意悲歌起，恋恋思君牀褥寒。平韵
襁褓幼童初度宴，莫教哀訴強加餐。
夜夜要求千里馬，朝朝欲靠八占卦。仄韵
却悵愛人學才多，鏡裡花顔微白髪。
単身百里就塵沙，五尺心中未足誇。平韵
客舎年年増悪酒，常時奔走業如麻。
月月君説生業功，年年我拒奴僕道。仄韵
聡明婦女敢鞭駑，只顧丈夫誰有靠。注：只顧；融通が利かない。
任重臥病赴泉途，偏惜壮年豪気夫。平韵
父母妻孥崩惻惻，弟師朋輩泣區區。
咨嗟血涙應難盡，耳目身心忽如無。
百事崢�ｴ生活計，千秋慈愛掌中珠。
恋恋恨君懐往事，帯杯欲尋故郷景。仄韵
空閨暗泪畏人知，雨雨風風眞一夢。
悲歓訴君已無言，夙昔朋知豁短垣。平韵
陋巷窮愁空看鏡，浮生行業未知源。
染血繊指育兒子，授學驕童頌結婚。
漸就宿心年若水，衰顔老叟坐南軒。
呆看西窗夕陽淡，微聴庭除童子玩。仄韵
歩歩雛孫領我衣，邯鄲夢覚低階段。
紅顔三尺絡嚔裳，夕餉炊煙罩草堂。平韵
無主巷居燈影淡，可憐少婦守空房。

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