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古典詩基本講座
1999-5/4漢詩講座 初級編 ここに記載されている詩歌の規定は、中国の詩友から得た情報で構成されています。
第一講
1 概論
1−1 文字を用いる文化としては
1:詩歌
2:文語体
3:口語体
の三つが挙げられ、漢詩はこの詩歌の範疇に入る。
 詩と散文との基本的な違いは“韻”を用いるかどうかの違いである。詩は韻を用い散文は韻を用いない。だから駢儷体は日本人が看た外見上どんなにスタイルが整っていても、韻を用いていないから詩ではない。
 現実には日本でも同様のことが言えるが、中国に於いても、この三つが整然と分かれて居るのではなく、詩歌と文語体との間に位置する形態も有れば、文語体と口語体の間に位置する形態もある。
 詩歌と文語体との間に位置する形態として「賦」が挙げられる。賦は型式こそまちまちであるが韻を用いているので、文でもあるが詩でもあるる。文語体と口語体の間に位置する形態として「小説」が挙げられる。ストーリーは文語体で登場人物の会話は口語体である。
 漢詩という呼び名は“漢”即ち中国詩と云う意味合いと、漢字で書かれた詩歌という日本人の感覚からきた呼び名かもしれない。中国での詩と云えば、廣くは散体と定型に二分される。散体とは日本での散体詩とほぼ同じで、定型も亦日本の其れと同じである。

1−2 定型詩歌の形式
定型詩歌の形式的な分類は
1:詩
2:詞
に大別される。
詩は更に
1:古体(新体に対しての古体という呼び名で“古い”と云う意味ではない)
2:新体(古体に対しての新体という呼び名で“新しい”と云う意味ではない)
に大別される。
 古体詩は、,と。で区切られた偶数句を基本とし、一句の長さに決まりはなく、概ね3文字から9文字の間にある。そして出だしの句(出句)と二句目の句(落句)末に“韻”文字を配置し、韻が換わった時はまた出句と落句と、その後は落句末に韻文字を位置する。
 韻の配置方法によって更に
1:一韻到底格
2:換韻格
に大別される。
 一韻到底格とは、一首の作品全部を一つの韻で統一させる詩型を云い、平韻の時の一韻到底格と仄韻の時の一韻到底格がある。換韻格とは、詩句内容の変わり目毎に仄韻平韻交互に換える詩型を云う。
 新体詩は、,と。で区切られた偶数句を基本とし、一句の長さは5文字と7文字を基本とする。そして出だしの句と二句目句末に“韻”文字を配置する。
 句数によって更に
1:8句の詩型を律詩
2:4句の詩型を絶句
3:8句以上の偶数句の詩型を排律
に大別される。
1:の律詩は更に
1:五文字の詩型を五言律詩
2:七文字の詩型を七言律詩
に大別され、“韻”は平韻を基本とする。
2:の絶句は更に
1:五文字の詩型を五言絶句
2:七文字の詩型を七言絶句
に大別され、詩型成立の過程と韻の両面から
1:平韻の詩型を律絶(律詩から派生したという意味合いで)
2:仄韻の詩型を古絶(古詩から派生したという意味合いで)
と云う。
3:の排律は五言にも七言にも詩型としては存在するが、七言の排律は目にしたことがない。
 詞は日本で云う替え歌に似て、まず本歌があり、そのメロデイに合わせて文字を填めてゆく。即ち“填詞”という。その定型は二千余体有ると云われているが、現在の中国で用いられている定型は百体ほどであろうか。(拙著詩詞譜参照)
 現在の日本で“詞”の創作に手を染めている人は皆無に等しいが、中国では詞の作品もとても多い。(ホームページを参照してください)

1−3 言葉の要素
概論で文字を用いる文化として
1:詩歌
2:文語体
3:口語体
を挙げたが、
1:詩歌に用いる言葉は、内面的な優雅さと更にリズミカルでなければならない。これらの言葉を“詩語”と云う。
2:文章に用いる言葉は正確さと威厳さがなければならない。これらの言葉を“文語”と云う。
3:通常会話に用いる言葉は、時勢に耐えコミニュケーションに利便でなければならない。これを“口語”と云う。
第一講 逍雀記
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