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詩の形態
詩法-1 評林體 14-5/14
「天下の不幸は詩家の幸」と言う言葉が有る事から、時事問題は詩作に多くの題材を提供してくれる。
平成十四年五月九日に、在中国瀋陽日本総領事館に北朝鮮住民が駆け込むと言う事件があった。日々刻々テレビで成り行きが報道されたが、聴いたその儘文字にしたのでは、単なる代弁者と成って仕舞う。漢詩はどのような作品でも自己の意見陳述を主体と為すのだから、先ず自己の意見を整え、詩句に案配する。
流亡民
2002-5/6
今天是雨天,今年稍微很早梅雨的季節成了。我在平時的様子裏,在起居室看着電視。北朝鮮住民被苛政難以忍受逃入在中国瀋陽日本総領事館有了所説的事件
七言律詩
一朝電視照國囂,婦女鳴嗷不可逃。
官吏呆然齋白衫,警察奮力亂青袍。
人権貧困譁論客,援助“拉致”備怪刀。
草舎黙見窗外雨,不知打傘爲誰勞。
註:拉致是日本国民数百多人由于北朝鮮工作員被強行拉走了。這個問題還没解決。
五言絶句
賭命可憐婦,迢迢拭涙看。
何傷家國事,“豆萬”水尚寒。
七言絶句
真偽糾紛握手難,逃苛犯禁敢求安。
鳶飛魚躍只荒草,豆萬江風是否寒。
五言排律
四海青雲士,積年日出遅。
南征煽敵愾,北向失佳期。
政事羊腸路,陰雲覇業危。
荒村溢飢餓,帝宅侍蛾眉。
爲問誰災禍,革命懐往時。
丹心和俗念,世論亂如絲。
詩法-2 論詩 14-5/20
作品に対する評論を題材にした作品を論詩という。
涼州詞 王翰
葡萄美酒夜光杯,欲飲琵琶催馬上。
酔臥沙場君莫笑,古来征戦幾人回。
涼州詞 王之渙
黄河遠上白雲間,一片孤城萬仭山。
羌笛何須怨楊柳,春光不度玉門關。
註:涼州詞は詞牌名で作品名ではないと言われているが、肝腎の作品名は見あたらない。
論詩涼州詞
七言絶句
朔風砂漠路相通,美酒黄河勢自雄。
兩聖題詩開世論,興亡順逆竟何功。
五言絶句
古冢英雄骨,無名幾萬忠。
欲冥荊下恨,句句逼虚空。
七言律詩
寒蕪羌笛與琴樽,只奠昔時幾萬寃。
少婦垂髫頻握手,衰面痩骨竟無言。
厳苛號令催馬上,縹渺沙風歴幾村。
何罪軍兵陰雨下,蕭然句句詠神魂。
註:所謂馬上是所説的立刻意義
五言排律
羌笛天涯意,黄河一葦航。
古琴催馬上,美禄止沙場。
昨日看征馬,今晨踏重霜。
宮商真悵怏,喚起別離腸。
筆硯都詩眼,従容竹簡章。
何悲茶換酒,清韵侍飛觴。
詩法-3 詠物 14-6/14
一般には目に見える物を題材にした作品を「詠物」と言う。梅の木や櫻の木、盆栽、絵画、鳥獣、山や川など、あらゆるものが対象となり得る。
形式から言えば、一般的に全句が、対象物から離れては成らないとされて居り、叙事法から言えば、対象物の本質を探り出し、その本質を詩作者の価値観に置き換える手法、即ち「興」の手法とも言える。だから、盆栽を事細かに絵を描くように写しても、其れでは詠物詩には成らない。
まずは、作例を以て示そう。盆梅や鳥獣では面白くないので、こんな対象でも可能と言う事を示すために「厠所便器」を題材にした。
詠物 厠所便器 魚韵 (中華新韵)
五言絶句
土塊陶工匠,出窯納小斎。
誰期蒙糞尿,萬戸必需材。
七言絶句 痕韵
時時老大訪清晨,睡眼五尺如滝奔。
只顧担心君健否,年年日日見天眞。
七言律詩 寒韵
村墟陋屋有閑間,半壁半窗一白鞍。
朝晩須騎同飯客,湯風随意太平歓。
陶瓷只有熔変事,色形参差工匠艱。
閉戸模糊窺水面,君吾舊知布衣看。
五言排律
獨坐真清福,關門共一天。
朝朝専浄臓,日日互争先。(錯綜對)
夜半看童懶,清晨有母賢。
誰知嫁婦涙,想得奉親艱。
不恨同輩誉,緬思工廠煙。
私誇千古器,就任自平安。
詩法-4 紅匳 14-8/9
紅匳とは、女性の化粧箱を謂う。韓○の作品集の名前を取って紅匳體と謂うようになったと聞く。古い作品では、遊女とか側室など日陰者の艶っぽさを詠った作品を眼にするが、現在その様な作品を、戯作で無くて作れる人は、滅多にお目にかかれない。
自分で創るとなると、紅匳體は、健全な女性で有りながら、其の性が持ち合わせる艶や哀れを描き出す事が妥当だろう。○=口+屋
紅匳體 三歳拝廟 東韵 (中華新韵)
五言絶句
赤子千金笑,三年抹口紅。
不知二八后,香粉待鱗鴻。
七言絶句 齋韵
嬌羞紅臉未知悲,素手躊躇浅画眉。
未識人生心孰主,傷歓日日蓋臙脂。
七言律詩 唐韵
空閨枕上夜殊長,夢醒紙窗映朝陽。
歳月須知千里別,憐憐還恨試新妝。
禍福兼得一樽酒,妬妬應恥惑袖香。
數識花顔春若夢,粧成只有蓐鴛鴦。
五言排律
支韵
幽径半背面,紅裙歩自遅。
歓情疑是夢,一顧十分奇。
淡掃清如水,双眸七寶慈。
紛紛唯欲逢,鬱鬱遂同時。
何恨光陰早,浮雲待雨移。
詩法-5 詠史 14-9/9
詠史とは、歴史に関わり有る作品を謂うのだが、詠法には概ね二通り有る。客観的に述べるか、主観的に述べるか?対象にも二通り有る。歴史上の人物を述べるか、歴史の大局を述べるか?依って創作するには、@客観的に人物を述べる。A客観的に大局を述べる。B主観的に人物を述べる。C主観的に大局を述べる、都合四通りの方法がある。
創作に当たっては、先ずどの方法を執るかを決めなければならない。これを蔑ろにすると、出来上がった段階で、歯切れの悪い作品となる。
国際間の歴史は、立場の違いから、その認識が相反するのは当然の理である。更に歴史は、政治の具として用いられることがあるので、条理で判断できぬ場合が多い。殊に對中韓関係は注意を要す。
五言絶句 日本海海戦
四海危家國,艨艟挫戦端。
郷恩應有意,凛凛将兵肝。
七言絶句 東郷平八郎
青襟志得學他郷,憂國傷時路自長。
勿謂干戈青史事,献出生命幾繁霜。
七言律詩 近世之亜細亜
列強覇業互争先,隣国懐柔迫砲煙。
左手聖書右端銃,人民阿片吏遮天。
須疑富裕即英傑,勿謂饑窮是賤拳。
役役専財誰悟理,暖衣飽食幾經年。
五言排律 少年兵
二八憂家國,丹心解柳枝。
親朋蕭酌酒,送餞怨争危。
弟妹堅拉袖,啼哭問歸期。
伏屍童臉士,胸口妙年姫。
勿忘思郷意,衣食暖飽慈。
詩法-6集句 15-1/6
古来多くの詩作品がある。詩句の一部を詩作に取り入れる事は多く行われる手法である。多くはその一部を借用し、典古などと言われる。然し集句は一句をそっくり戴いてしまうのである。其れも4句或いは8句と、詩作全部の句を頂き物ですませるという、何とも都合の良い手法である。
然し、他人様の詩句を戴くにはそれなりの難しさがある。内容に相応しい詩句を探し出す。平仄を適合させる。韻を適合させる。全部他人様のお下がりで、自分のフアッションに合わせるのは、思ったより難しい。もう一点、デジタル時代だから言える事だが、WaivePage対応の文字に限定する事も条件に入る。
記憶を頼りに、品定めに取りかかろう。集句の詩法を知らぬ者から、剽窃の誹りを受けぬ爲に「集句」の断り書きを入れる。抽出先を書く必要はないが、読者の便宜を図って書き入れた。
客中閑酌 集句 五絶
花間一壷酒, 李白 月下独酌
天畔獨潸然。 劉張卿 新年作
明日隔山岳, 杜甫 贈衛八處士
臨風聴暮蝉。 王維 閑居贈裴秀才迪
桃花谿 集句 七絶
石磯西畔問漁船, 張旭 桃花谿
千里江陵一日還。 李白 下江陵
今夜偏知春気暖, 劉方平 月夜
黄河遠上白雲間。 王之渙 出塞
回故郷 集句 七律
葡萄美酒夜光杯, 王翰 涼州曲
少小離家老大回。 賀知章 回郷偶書
白狼河北音書断, 沈全期 獨不見
黄竹歌声動地哀。 李商隠 揺池
孤城背嶺寒吹角, 劉長卿 至鸚鵡洲望岳陽
落葉添薪仰古槐。 元槙 遺悲懐
千載琵琶作胡語, 杜甫 詠懐古蹟
暫憐團扇共徘徊。 王昌齢 青信怨
回故郷 集句 五言排律
被免職失去地位回故郷,故郷已経我返回的土地没有
空山不見人, 王維 鹿柴
積雪浮雲端。 祖詠 終南望積雪
自顧無長策, 王維 酬張少府
馳車登古原。 李商隠 登楽遊原
明朝有封事, 杜甫 春宿左省
離杯惜共傳。 司空曙 雲陽館與韓国紳宿別
飛鳥没何處? 劉張卿 餞別王十一南遊
虚里上孤煙。 王維 網川閑居裴秀才迪
落葉他郷樹, 馬載 潮上秋居
断雁警愁眠。 杜牧 旅宿
詩法-7回文
詩法-8四実
詩法-9四虚
詩法-10前虚後実
詩法-11前実後虚
詩法-12実接
詩法-13虚接
詩法-14用事
詩法-15前對
詩法-16後對
詩法-17依韵
詩法-18和韵
詩法-19用韵
詩法-20次韵
詩法-21畳韵
詩法-22進退韵
詩法-23義の双關
詩法-24音の双關
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