漢詩詞対句数字對 中山逍雀漢詩詞填詞詩余楹聯創作講座
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出句の数詞に対して対を為す對法を数字對と言う。對法の要件は顔色対と殆ど同じである。これは、数詞は数量・順位のみならず、數その物によって、多い少ない・若い老いる、後や先、などの要件を併せ持っている事による。
数量単位は、數その物ではないが、数詞の範疇に入り数詞と同様の取り扱いを受ける。項(面積)・尋(長さ)などはよく用いられる例である。原則として、数詞は数詞とだけしか對を為さない。
唐詩三百首から幾つかの使用例を挙げよう。
数として用いる場合
此地一為別,孤蓬萬里征。 頷聯 李白 送友人
為我一揮手,如聴萬壑松。 頷聯 李白 聴蜀僧○弾琴
烽火連三月,家書低萬金。 頸聯 杜甫 春望
星臨萬戸動,月傍九霄多。 頷聯 杜甫 春宿左省
親朋無一字,老病有孤舟。 頸聯 杜甫 登岳陽楼
山中一夜雨,樹杪百重泉。 頷聯 王維 送梓州李使君
風鳴両岸葉,月照一孤舟。 頷聯 孟浩然 宿桐盧江寄廣陵舊遊
長江一帆遠,落日五湖春。 頸聯 劉長卿 餞別王十一南遊
浮雲一別後,流水十年閨B 頷聯 韋應物 淮上喜會梁州故人
量詞・順序詞として用いる場合
列郡謳歌惜,三朝出入榮。 頸聯 杜甫 奉濟駅重送厳公四韵 註:列は量詞
獨敲初夜警,陂゚一枝籐。 頸聯 李商隠 北青蘿 註:初は順序詞
海内風塵諸弟隔,天涯涕涙一身遙。 頷聯 杜甫 野望 註:諸は量詞
複雑な用い方をしている場合
悵望千秋一灑涙,蕭条異代不同時。頷聯 杜甫 詠懐古蹟
悵望と蕭条は對の関係で
千秋と一灑涙は句中對の関係
異代と不同時は句中對の関係
三っの組み合わせで成り立っている。
補追:悵望千秋一灑涙と蕭条異代不同時は、どちらも時限に拘わる事柄だから、對と成るとも言える。数詞は数詞と言う原則論から言えば、句中対の応用とも言える。
動詞として用いている場合
三分割拠紆籌策,萬古雲霄一羽毛。 頷聯 杜甫 詠懐古蹟
籌策を紆し,羽毛を一にす。一つにする・束ねる、と言う意味。
五湖歸去孤舟月,六國平來兩鬢霜。 白居易
註:「兩」と「二」の二つの言い方がある。両方とも二つの事だが、「兩」は二つを一纏めにした二つの事で「二」は一つ一つが二つある事を言う。
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