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一般には四句構成の作品で、手前の二句が對仗に成っている作品を言う。そう言われると、後側の二句はどうかと言われるが、後側の二句は對仗でないもの、という前提がある。後側の二句も對仗の作品、即ち四句とも對の作品は「全對」と言われている。
前二句が對仗と言う事は、起句と承句が對仗と言う事となる。起句は出だしの句で、承句は其れを引き継ぐ句であるから、叙事内容に於いては、さほどの違いはない。
承句は、起句よりは多少絞り込まれたと言うほどだろう。転句ほどの違いは無いのである。依って、前對にしたからと言って、全体の構成に留意しなければならないと言う事はない。
起句は出だしの句であって、起句を多少とも絞り込んで承句となる。この点はたとえ對仗にしたからと言って、基本的な構成となる。
さて、對仗として綴る場合に二通りの方法がある。
1−出句と落句とをほぼ並列に並べる方法。
2−出句と落句とに時間的に前後の関係を持たせる方法。
前後とは、出句と落句を逆に読んだ場合、齟齬が生じる形態を言う。
幾つかの例を示して見よう。
起句 ●●○○●,
承句 ○○●●◎。
転句 ○○○●●,
合句 ●●●○◎。
注:殆ど同じ語彙を用いて、趣旨の違う作品を例示した。
題空房図画
柿熟斜陽色,香吹陋巷秋。 前後の関係がない
空房懸画面,路断繋耕牛。
行人逢秋
星漢輝如昼,行人別有郷。
還思君健否,山駅入秋香。
題空房図画
柿熟斜陽色,雀啄富味秋。 前後の関係がある
空房懸画面,路断繋耕牛。
農夫帰郷
星漢輝如昼,農夫去向郷。
還思秋漾漾,山駅入秋香。
起句 ○○●●○○●,
承句 ●●○○●●◎。
転句 ●●○○○●●,
合句 ○○●●●○◎。
注:殆ど同じ語彙を用いて、趣旨の違う作品を例示した。
工人想故郷
蓬頭拭汗堪炎暑,驟雨跳珠亂暮蝉。 前後の関係がない
手冊密藏妻子貌,工棚洗臉落暉前。
残暑苦熱
階前蟋蟀淙淙響,舎角風鈴黙黙懸。
午熱無風眠不就,今宵鎮暑杖頭銭。
工人想故郷
炎天平汗休息水,樹下遙思古里田。 前後の関係がある
手冊密藏妻子貌,工棚洗臉落暉前。
残暑苦熱
驕陽昼永送炎熱,蟋蟀聲枯恨夏天。 注:驕陽は日中 蟋蟀は夜半
午熱無風眠不就,今宵鎮暑杖頭銭。
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