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粘綴TopPage

 普段見慣れている五言律詩の平仄配置図だが、此には、二句一章と言う原則の下に、章と章は、「粘綴」と言う規則に依って繋がりを為している。

五言律詩正格(仄起式)
●●○○●,○○●●☆。        首聯 起聯
○○○●●,●●●○☆。対杖      頷聯
●●○○●,○○●●☆。対杖      頸聯
○○○●●,●●●○☆。        結聯 尾聯

 粘綴の詩法は律詩に限らないので、粘綴が分かりやすいように並べ替えると、次の如くで、四句・六句・八句・十句・・・・・・と援用する。
 平仄不問の箇所が粘綴の対象から外れていて、例示は五言句で有るが、七言句は、五言句を援用すればよい。
 粘綴の条件から外れた平仄配列は、不粘格と言われ、正格の範疇から外れる。

●●○○●,☆。
        粘  綴
      ○●,☆。
                 粘 綴
               ●●,☆。
                           粘 綴
                       ●,☆。
                                     粘 綴
                            ●,☆。
                                                              粘 綴                      
 此の赤色で示された規則性を粘綴と言う。この意味するところは、詩章は二句一章で構成され、次の章へ移るときには、前章落句の出だしのリズムを引き継ぐ(平仄を同じにする)事が為されている。

 なお、句意、即ち起承転合の配置は、起承は一章に収め、転合も亦一章に収める。絶句後對格の場合は例外として、承転が一章に収まることはない。この事は粘綴の詩法が大いに関係する。

 旧来の定型詩ならば既に平仄配列や句意の配置が決まっているので問題はないが、新たに登場した詩形などは、未だ未成熟なので、実作者が旧来の詩形を踏襲して合理的な詩法を案出しなければならない。

 ここで問題なのは、三句構成の定型である。この場合は、粘綴の詩法から、起承は一章、転合は一章、承転で一章にすることは出来ない。この原則を踏まえて考案すれば、大過のない結果が得られる。

一例を上げれば、
 粘綴を挟んで手前が一句、後側が二句の場合

☆。        起句・承句 
 粘 綴
●,☆。  転句と合句

 

 粘綴を挟んで手前が二句、後側が一句の場合

●●○○●,☆。
       不粘綴
        ☆。      此の組み合わせは、不粘格と成って成立しない。

依って

●●○○●,☆。
       粘 綴
        ☆。  押韻は詩歌の条件で有るから、落句の一部を変更して、押韻とする。

などと、研究を試みる必要がある。

 

 

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